テーブルの端にちょこんとついた、リボン型の模様。

すでにご存知の方も多いかもしれませんが、これは装飾のための模様ではなく、
天板の割れが広がるのを抑えるための「千切り(ちぎり)」という技法。

割れが生じた部分に蝶々のかたちをした木片を埋め込むことで、
これ以上左右に広がらないように楔(くさび)の役割を果たしてくれます。

今回は、この天板に割れが生じてしまったテーブルを、「千切り」の技法で補修する様子をご紹介いたします。
 
 
千切り蝶々テーブル天板割れ補修
テーブルの天板は、オーク無垢材。
木工職人・ヒカワが、蝶々のかたちに、天板を彫ります。
深さは天板の厚みのちょうど半分くらいまで。
 
 
千切り蝶々テーブル天板割れ補修
遠目からではわかりにくいですが、端から割れが生じています。
割れた部分にパテを埋めて補修したら良いのでは?なんて思いますが、
無垢材は環境によって収縮や膨張をするので、今後さらに割れが広がる可能性があります。
 
 
千切り蝶々テーブル天板割れ補修
なので、これ以上割れが広がらないよう、こんなふうにがっちり留めてしまうのです。
(イラスト:ヒカワ)
 
 
千切り蝶々テーブル天板割れ補修
蝶々型のパーツは黒檀から作ります。
天板のオークも重く、硬い木材ですが、黒檀はそれよりも重く、硬く、強く、耐久性に優れているのだそう。
 
 
千切り蝶々テーブル天板割れ補修
天板に彫った蝶々型に接着剤を入れ、ぴたりと合わせて作った黒檀のパーツをはめ込み、
 
 
千切り蝶々テーブル天板割れ補修
金槌でしっかりと打ち込みます。
 
 
千切り蝶々テーブル天板割れ補修
ぴったり!
彫った穴より小さければ留めるための力が効かないし、
大きければ余計に割れを広げてしまうので、精密さが要求される仕事なのだなあと実感。
 
 
千切り蝶々テーブル天板割れ補修
見守るヒカワ。半袖の季節はYONEXを愛用。
ロゴの感じが好きなのだそうです。
 
 
千切り蝶々テーブル天板割れ補修
クランプで固定して、一晩乾くのを待ちます。
 
 
千切り蝶々テーブル天板割れ補修
接着剤が完全に乾いたら、はみ出ていた表面の厚みの部分をかんなで削り、
天板表面の高さに合わせて平らにします。
 
 
千切り蝶々テーブル天板割れ補修
最後にオイルを塗れば完成です!
 
 
千切り蝶々テーブル天板割れ補修
割れが生じていた天板にリボンのようなアクセントが加わり、蝶ネクタイをしたような表情に。

この小さな木のパーツが、天板がこれ以上割れないよう一生懸命支えてくれているのだと思うと、
頼もしいような、愛しいような。
表面をなでれば段差もなくすべすべとしていて、なんだか不思議でもあります。

もしどこかで「千切り」を見かけたら、ぜひ心の中で「頑張ってるね!」と応援してあげてくださいね。